経営の視点「コンビニ 生産性向上の鉄則 人を基軸に、機械を脇に」

経営の視点「コンビニ 生産性向上の鉄則 人を基軸に、機械を脇に」

 

(2017.8.28(月)付 日本経済新聞朝刊5面より)

 

【要約】

中堅コンビニ「スリーエフ」が「ローソン・スリーエフ」に代わり、1日当たりの売上高が1年前と比べ2割も上昇。オーナーが驚きを隠せないのは、売り上げが伸びたことではなく、働き方が変わったことである。新商品が毎週店頭に並び、アイテム数も増えたことで、当初は混乱で疲労困憊だったが、結果に表れると疲労感は充実感に。無駄な在庫が減り、見切り商品の選別や廃棄といった業務が減ると、その分接客に時間を割くことができる。店主は「笑うことが多くなった」と語る。

また、「セブン-イレブン・ジャパン」は商品や数量を決める発注業務を人の判断の手に委ねている。仮説と検証を繰り返し、発注の精度を高めていくことで、自身の成長も実感できる。こういった「商人の」意志を発注に加え、生産性も向上させる狙いだ。

安易に人の作業を機械に置き換えるのではなく、働く意味、醍醐味を知ったうえでの生産性向上に努めるべきだ。

 

【所感】

決断、判断といった、主に上級職のマネジメント分野で、人は機械に後れを取ってはならない。また、対面コミュニケーションでは、機械化・省力化どころか、「人間化」が進んでいるといえる。「機械化」だけにとらわれるのではなく、仕事で「人間化」できるところはどこか、そして機械にも人にも負けない自分の優位性は何か、ということを考えていきたい。