会社の中ってどやって変えればいいんだろね~

東芝 終わらぬ危機」

(2017.9.24(日)付 朝日新聞4面より)

 

◆「虎の子」の半導体 なぜ売るの?

原発事業の失敗で、多額の負債を抱えたため。

2006年に社運をかけて米の原発メーカー「ウェスチングハウス(WH)」社を総額6千億円で買収したが、2011年の東日本大震災原発の安全基準が厳しくなり、追加の建設費用がかさんだことが損失につながった。

 

◆なぜつぶれないの?

東芝は現在債務超過に陥っている状態で、普通なら銀行の融資はストップし、倒産となる。しかし、半導体事業の売却益を期待し、メガバンクなどの銀行が融資を続けているのである。

 

半導体事業の買い手は?

いわゆる「日米韓連合」と言われる日本、米国、韓国の企業の共同体。米投資会社ベインキャピタルが率い、米アップルや、同業の韓SKハイニックスなどが参加している。買収額は2兆円で、これにより、東芝は売却益約7,400億円を得て、経営再建をはかる見通し。

 

◆事業売却のハードルは?

最初の関門は、10月24日(火)に行われる臨時株主総会。ここで株主の2/3以上の賛成を得られないと売却に踏み切れない。また、各国の独占禁止当局の審査も必要で、買い手に同業のSKも含まれる点がどう評価されるか。

 

◆今後の東芝は?

医療機器、白物家電、電力量計事業はすでに売却済み。原発事業は経営破たん、半導体事業は売却することで、残るはエネルギー、電子部品、社会インフラ等。上下水道の処理施設や、ビルの設備などの事業が残るが、細々とした利益となるだろう。新興国での需要が見込めるエレベーターも、東芝は国内シェア3位と、海外展開は覚束ない。

自己資本比率(財務の健全性をはかる):8.5%

営業利益率(稼ぐ力をはかる):1.5%

という数字も、ライバルの日立製作所のそれぞれ30.7%、6.4%という数字と見比べると見劣りする(日立は鉄道事業に注力)。

また、不正会計を招いた社内の管理体制の立て直しも急務となっている。