自分を拡張しなさい。AIと競争するつもり?

「東大・暦本教授に聞く AI普及 仕事どうなる 人間の能力も拡張」

(2017.8.7(月)日本経済新聞朝刊17面より)

 

【要約】

2045年は、人工知能が人間の能力を超えるとされる「シンギュラリティ」が起こるといわれている。AIは人の仕事を奪うのではなく、人が手にしたことのない便利な機械なのである。例えば、レントゲン写真からがんを発見することができるなど、特定の技術や専門知識では熟練の医師をも超える役割を果たすが、対面の治療における心身のケアなどは代替することができない。また、チェスでは、1997年にスーパーコンピューターの「ディープブルー」が当時のチェス世界チャンピオンに勝利してから、「アドバンスドチェス」と呼ばれる、新たな競技が行われるようになった。これは、指し手がコンピューターで最善手を調べながら行う、という競技であり、このようなAIの活用の仕方がほかの業界でもひろがり「アドバンスド医師」や「アドバンスド弁護士」といった職業が生まれるかもしれない。このように、AIは人間に対抗するのではなく、人間を拡張するものである。AIによって人間の能力を広げる「IoA」という研究も進んでおり、これからの若者は、「変化しないこと」を見極め、普遍的な学問を身に着けたうえで変化に対応する必要性がある。

 

【所感】

AIの現時点での「眼」は、人間を超えたといわれている。じゃあ鼻はどうか、耳はどうか、口はどうか、パーツパーツを組み合わせていけばどうか。2045年には私は57歳だが、それまでにそれらすべてを組み合わせた複合体より、AIをうまく扱えていなければ仕事がないことになる。自分の司令塔の能力を信じ、少しでもこういった形でアウトプットを続けていかなければならない。