「経済教室 AIはなにをもたらすか㊦ 「汎用型」実現で成長加速へ」井上智駒沢大学准教授

(2017.8.8(火)付 日本経済新聞朝刊29面より)

 

【要約】

AIは「特化型AI」と「汎用AI」に分けられる。前者は特定の職業や業務を代替するにすぎないが、後者は、人間の従事する多くの職業に取って代わることができ、汎用AIにかかるコストが人間の賃金を下回れば、その職業における人間の必要性はなくなる。

そうなると、産業構造が根本的に覆される(産業構造とは、生産活動に必要なインプット(投入要素)とアウトプット(産出物)の関係である)。

より国民に経済格差が生じ、消費は低迷、国の経済全体もシュリンクしていく。

それを防ぐためには、ベーシックインカム(BI)の導入が急務である。フィンランドでは月7万円を支給するBI制度の実験的試みが導入されようとしている。

これは、一般的な社会保障制度同様、富裕層から貧困層への所得の再分配が起こりうるので、導入できるか否かは、BIに伴う増税に富裕層が応じるかどうかがカギとなる。

汎用AIが人間の仕事を代替した後の社会では、多くの労働者はBIなしでは生活を維持できなくなるのである。

 

【所感】

汎用AIには、人間だけが持つとされる五感を用いた判断力も備わると考える。というより、人間の能力を2045年にシンギュラリティが起こるとされるため、人間(特に私みたいな凡人)の想像もつかないような能力を備えていると考えたほうが良い。

BIは、私なら、喜んで享受する。私が本来望んでいたライフワークに従事できるためだ。ありきたりなライスワークなどする必要がなくなり、自分が心から使命を感じられる仕事に就きたい、そう願って就職活動に臨む若者が増えることを望む。